発泡体についてよくいただくご質問
- 発泡体の倍率による違いとは?
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大きく発泡された発泡体は気体の比率が大きく軽くなり、小さく発泡された発泡体は気体の比率が小さく重くなります。原料によって同じ発泡倍率でも硬さや弾力強度などが異なりますが、倍率は一般的に高い(数字が大きい)ほど柔らかく、倍率が低い(数字が少ない)ほど硬く感じます。
- 発泡体の硬度による違いとは?
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発泡体の一番硬い数値を100とした場合、比較するとどれくらいの硬さか(もしくは軟らかさか)を数値で表しています。例えば硬度10°の場合は人の肌程度をイメージしてください。測定方法により硬度の数値が変わる為、詳しい基準が必要な場合はお問い合わせください。
- 発泡体の見かけ密度とは?
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発泡体1㎡又はあたりのフォームの重量(kg)のことです。密度の値が小さくなるほど空気を多く含むため、フォームは軽く、柔らかくなります。
※「g/㎤」で表すこともあり、「JIS K 6767」の考えに基づいたものであるため、他の試験規格では、見かけ密度の定義が異なる場合があります。
- 発泡体の圧縮応力とは?
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発泡体の圧縮応力は、圧縮力(物をつぶす方向の力、引張力の反対)を加えた時、部材内部に生じる力(内力)です。ある物体に対して、圧縮方向に力(荷重)をかけた際、その外力のことを圧縮荷重と呼びます。この圧縮荷重は言葉の通り荷重であるため、その単位は「N(ニュートン)」や「kgf(キログラム重)」で表します。
一方で、応力とは単位面積あたりの荷重のことであるため、圧縮荷重の単位は普通の圧力と同じ「Pa(パスカル)」で表現することができます。よって圧縮応力と圧縮荷重の換算(変換)としては、圧縮応力=圧縮荷重÷面積で求める値で単位は「kpa」で表し、数値が小さい程柔らかい傾向にあります。
- 発泡体のセルとは?
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ラテン語で小部屋という意味を持ち、ウレタンフォームなどの通気性を表すのに用いられます。25mm角の中にいくつの小部屋があるかを数字で表しており、大きいほど通気性が良くなります。
- 発泡体の連続気泡とは?
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発泡体の連続気泡は中の気泡が繋がっているため、水分や空気を通しやすい性質があります。そのため、洗剤などの泡立ちがよく、保水力も高いため、洗浄用のスポンジや水耕栽培用のスポンジとして使われています。
- 発泡体の独立気泡とは?
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発泡体の独立気泡は気泡のつながりがないため、水分や空気を通しにくく、気泡の中の空気も抜けにくい性質があります。そのため、独立気泡のウレタンフォームはパッキン材やタイヤのチューブ、水泳補助用具などにも使われます。
- 発泡体の架橋とは?
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原料のポリマー同士を連結し、物理的、化学的に性質を変化させる反応のことで、材料の製法の一つと考え、電線架橋・化学架橋などの名称により、材質の質感が変わることが一つの特徴であり、架橋することにより原料に更なる効果(耐薬品性等)をもたらすことがあります。
- 発泡体の熱伝導率とは?
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発泡体の熱伝導率とは、「熱の伝わりやすさ」を表しており、熱伝導率が高いほど熱が伝わりやすく、低いほど伝わりにくくなります。単位は「W/m・K」で、物体の厚さ1m、温度差1℃当たりの熱の移動量を表しています。断熱材では限りなく0に近いほど断熱性能が高いことを表します。数値が異なる場合でも発泡体製品の厚みを増やすことで、断熱性能を高めることが可能です。
- 発泡体の目安単価について
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発泡体のℓ単価は、材料の取り数より加工見積を計算している為、材料の規格サイズや加工サイズにより大きく異なることがあります。表示価格はご参考程度にお考えください。
- 発泡体の目安納期とは?
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発泡体の納期とは、商品をご注文頂いてからお届けするまでに必要な日数です。材料ごとに目安納期が異なるのは、材料を在庫として保有しているか、メーカーからの取り寄せが必要になるかで異なります。また目安納期は立方体・カットの場合は記載通りとなりますが異形状・3D切削等は目安納期以上となります。納期のご指定がある場合はお問い合わせください。
- 発泡体の帯電防止とは?
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プラスチックは一般的に電気を帯びやすい特徴があるため、それを防止するために石鹸などに使用される界面活性剤を練りこみ、発泡体製品に電気を帯びにくくした機能を持たせ物となります。
- 発泡体の難燃とは?
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発泡体の難燃は基本的に建築基準法内での加熱開始後の燃焼しないなどの長さより定められています。
不燃材料:20分
準不燃材料:10分
難燃材料:5分
ただし、認可を取っていない商品や、難燃材料を入れて燃えにくくした商品もあるため、詳細な規格はお問い合わせください。
- 発泡体のノンハロゲンとは?
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ハロゲン系の物質、塩素、臭素、フッ素等を使用していない物、燃焼時に発生する有害なガスをなくすことを目的としています。
- 発泡体の加水分解とは?
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反応物に水が反応し、分解生成物が得られる反応。特にポリエステルフォームで起こる現象で、長期間水に触れるとボロボロとした状態となります。ただし、耐油性に強いなど利点も多くあり、エステル系でも加水分解しにくい物もあります。
- 発泡体の低・無イオウとは?
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イオウ成分を多く含む素材は、電子材などの緩衝材やパッキン材などとして使用すると、部品が腐食する原因となる為、イオウの含有率を減らして腐食を軽減させる効能となります。
- 発泡体の止水性とは?
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図のように試験片(T10㎜×W10㎜)をセットして圧縮率ごとに漏水がないか、水深100㎜にしたときまでの時間を測定します。圧縮率毎に水漏れの有無を確認し、「〇」「△」「✕」で評価を行います。
※圧縮率は20%だとT10㎜→8㎜となります。
※「〇」30分以上水漏れなし「△」10分以上30分未満に水漏れあり「✕」10分未満に水漏れあり
- 重量物を載せた場合どの程度圧縮されるのか?
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圧縮応力(kPa)の数値をもとに想定することが可能です。例えば質量1,000kgに働く重力が9.8Nを軸に計算します。
質量(kg)×9.8N÷力を受ける面積㎡(メートル×メートル)Pa÷1000=kPa
で表すことができ、例えば数値が「500kPa(25%圧縮応力)」とあれば、厚み10㎜→7.5㎜にするには、500kPaの上からの圧力が必要と計算することが出来ます。※実使用上はその他の数値も加味した判断が必要となります。
- 発泡体の対候性とは?
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対候性とは自然環境下、紫外線や風雨などで劣化しにくいかを表し、測定方法として、特定の条件で一定期間(30日~)天然光などにさらして、圧縮強度や弾性率などの変化を測定します。その差が低い物を対候性が強いとします。多くの発泡体は紫外線に弱い為、使用環境などが野外の場合は、製品情報をご確認ください。
- 発泡体の耐薬品性とは?
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耐薬品性とは、酸、アルカリ、有機溶剤などの各種薬品に(設備の表面が)接しても、溶解、浸食されたり、ダメージ的な反応が無いことを指します。
- 発泡体の耐溶剤性とは?
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耐溶剤性とは、塗膜が溶剤に浸っている状態でも変化しにくい性質のことを言います。塗膜の耐溶剤性の評価は、評価対象を規定の溶剤に浸し、所定の時間が経過した後に、塗膜の変化(ふくれや割れ、はがれ、色、つや、溶け出し)、溶剤の外観変化を確認し、評価を行います。
- 発泡体の導電性とは?(帯電防止との違い)
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発泡体は基本絶縁体(電気を通さない)成員ですが、導電性を持つものは、発生した静電気を導電して外へ逃がすことが出来る素材です。また帯電防止との違いは、両方とも電気を通しますが、電気が抜けてゆくスピードの違いをイメージしてください。
帯電防止はゆっくりと(数十秒かけて)導電性は素早く(数秒~十数秒)抜けていきます。また電気抵抗値の違いを、抵抗値10¹~10⁵程度が導電性、10⁹~10¹¹程度が帯電防止となります。
- 各種数値(倍率・比重・密度・質量)の求め方は?
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発泡体の倍率などの数値は以下の計算式で求めることが出来ます。お手持ちの素材が何かわからない場合、製品の重量と体積を求めることで数値化することが可能です。
▼倍率
(厚み(ミリ)×巾(メートル)×長さ(メートル))÷重量(kg)=発泡倍率
▼比重
重量(kg)÷(厚み(ミリ)×巾(メートル)×長さ(メートル))=比重
▼密度
重量(kg)÷体積(㎥)(厚み(メートル)×巾(メートル)×長さ(メートル))=密度
▼質量
密度(kg/㎥)×体積(㎥)=質量(kg)
- 熱抵抗値(R)の求め方は?
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熱伝導率λ(W/(m・k))が異なる素材でも、厚みを増すことによって同じ性能とすることが可能で、その単位は熱抵抗値(R)となり、 熱抵抗値(㎡・K/W)=断熱材の厚さ(m)÷熱伝導率(W/(m・k))で求められます。
例えば熱伝導率が0.040W/(m・k)の50㎜の断熱材と0.050W/(m・k)の素材が同じ性能の素材を探す場合、対象となる熱抵抗値(R)を0.05÷0.04=1.25㎡・K/Wで求め、その熱抵抗値の元、 熱抵抗値(㎡・K/W)×熱伝導率(W/(m・k))=断熱材の必要な厚さ(m)によって、1.25×0.05=0.0625(m)で62.5㎜の材料が必要であると導き出すことが可能です。
- ブロックとシート・ボードについて
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ブロックとは、最大厚み500㎜までの中でスライス加工を施す事によって自由な厚みを選択する事が出来ます。
シートは厚みが規格に準ずるため、原則厚みのスライスができない商品を刺します。また素材によって長尺(当サイトでは2M以上を指す)があり、規格内での長さでの加工が可能です。
ボードは厚みはあるが性能上や・特性上厚みが規格の値しかない商品を指します。
- 圧縮永久歪(ひずみ)とは?
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フォーム材料を圧縮し、圧縮開放後の「歪(ひずみ)」の割合の事です。この際の歪とは、元の厚みまで復元しない部分の事を指します。瞬間的にではなく、長時間圧縮した際の歪を確認する試験方法になります。数値が小さいほど材料の復元性が高い事を示します。
- 引張強さと伸びとは?
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引張強さとはフォームを破断するまで引張った時の力の事で、伸びとはフォームが破断した時の伸び率の事です。引張強さと伸びの値を確認することでフォームを引張った時の破断しにくさが分かります。引張強さの単位はMPa(メガパスカル)、伸びの単位は%で表します。異なる環境下での引張強さと伸びを比較することで、耐熱性や耐候性などの分析にも活用できます。
- 熱的安定性とは?
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フォームの耐熱性の指標として、70℃の環境下から常温に戻した際のフォームの寸法変化率を%で表しています。フォームは加熱により一旦膨張しますが、膨張した空気の一部が抜け出る事で気泡内部の空気量が減少し元の寸法より収縮する傾向があります。そのため熱安定性の数値は基本的にはマイナスで表されます。
また、フォームは基材である樹脂の融点よりも低い温度で収縮する傾向があります。
- 圧縮履歴曲線とは?
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圧縮履歴曲線は、フォームの圧縮応力の推移をグラフ化した曲線の事を指します。この曲線を利用する事で、重量物を載せた瞬間的な歪(圧縮率)、圧縮後のフォームの戻り具合を予測する事が可能です。
圧縮履歴曲線を深く理解するには、事前に圧縮応力について、把握しておくことが重要です。
- 圧縮クリープとは?
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圧縮クリープとは、一定の圧力をフォームにかけ続け、厚みの経時変化から、歪(圧縮率)を算出する試験です。試験方法や計算の考え方は圧縮永久歪と似ていますが、圧縮永久歪は一定の圧縮率で固定するのに対し、圧縮クリープは圧縮率を固定せずに一定の圧力をかけ続ける点が異なります。
- 浮力とは?
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水などの流体中にある物体に重力とは逆の方向に作用する力で、特に発泡体は空気を含んでいる為水に浮きます。その浮力の計算は物体の3辺の長さから体積をもとめ、水の比重が1である事から、その物体の実際の重量を引けば喫水線ゼロ状態の浮力の算出が可能です。
発泡スチロール50倍の浮力を求める場合
例:(体積を求める) 10㎝×10㎝×10㎝=1000㎤=1000g
(重量を求める)1000㎤×密度0.02g/㎤=20g
(重力値を求める)1000g-20g=980g の物体を発泡体にのせることが出来る
- 応力度とは?
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断面単位の面積あたりに作用する応力の事で、断面に等しく応力(力がかかった時の圧力のことを指し、荷重を面積で割った単位面積当たり荷重でニュートンNやkgfで表す)がかかっていると仮定した場合にある一定の範囲(たいていは1㎟または1㎡)にかかっている力の事を指します。